愛って何?幾度となく繰り返されるこの質問に明確な答えもなく、それに愛についての想いは人それぞれだ。私が愛の意味を知ったのは主人が亡くなってからだった。
主人が余命宣告を受けて最初に取り掛かったことが、子供達に遺書を書く事だった。
毎日毎日パソコンに向かい、何度も書き直していた。そして書き終えると安心したように横になることが多くなった。
容態が悪化しあと数日、という時にその遺書は私に託された。
遺書は子供たちが進学や就職で家を出て行く時に手渡した。
これから歩んでいく長い人生の中で、遺書は彼らの道しるべとなることを願っている。
主人が亡くなってしばらくして主人の部屋から遺書の下書きが見つかった。
涙涙でほとんど読むことができなかったが、最後に愛していますと書かれていた。
主人が子供たちにいちばん伝えたかったことは、愛してるだった。
愛とは証であり、希望であり、そして美しく、悲しく、永遠だった。
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